【ブドウ畑に吹く風~記者のワイン造り体験記】#7 炎天下の作業

摘心・雨よけ設置に汗だく

松本市笹賀、ガクファーム&ワイナリーのブドウ畑。これまでさほど気にしていなかったが、畑の主な垣根は南北に延びている。ブドウには日光が両側からしっかり当たり、人間にはどちらかに必ず木陰を与える。よくできたものだと感心した。
そのピノ・ノワールの垣根に沿って、オーナーの古林利明さんと作業を開始した。新梢(しんしょう)は身長をはるかに超え、2メートル以上と勢い盛ん。「人間でいえば10代から20代のやんちゃ盛りの若者かな」と古林さんは笑う。
ブドウは先端が一番勢いがある。この樹勢を止め、ブドウの房に栄養を行き渡らせるため、小型の電動トリマーでカットするのが摘心だ。さすが専用の機械、当てるだけで驚くほどさくっと切れる。
ずっと持ち上げるには、ちょっと女性には重いのが唯一の難か。木は切ってもまたすぐ伸びるので、6月下旬、7月半ば、8月の3回ほど行う。
続いて、雨をよけ病気からブドウを守る、レインカットを設置しながら木の手入れだ。垣根の柵は古林さんがDIYで加工、ブドウの房のちょうど上あたりに、ポリエチレン製で幅40センチほどのシートが斜めにかけられる。ワイヤに沿ってシートをかけ、ぴんと張って上下をクリップで留めていく。
と同時に、副梢(房を付けない不要な梢)の整理もする。根元から2、3枚を残し、はさみでカット。最初はちゅうちょしたが、切り出すと枝葉がすっきりして気持ち良い。不要な梢(こずえ)の剪定(せんてい)の意味と、太陽の光を取り込む葉を均一に太陽に当て、風通しを良くする意味合いがある。
1時間半で汗だく。ワイン用ブドウのために炎天下、こんな地道な作業が続けられているとは。普段何げなく飲むワインも、大変ありがたく感じられ、夜はお決まりのビールではなく、よく冷えたワインで乾杯した。

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