昆虫採集のこつや注意点は?

自然のルール守って楽しんで

楽しい夏休み。昆虫採集の計画を立てている親子もいると思います。そこでカブトムシ捕りが得意な塩尻中学校2年の細越陽介さん(14、塩尻市塩尻町)に、採集のこつや注意点などを聞きました。
カブトムシやクワガタは、主にドングリの実がなるクヌギやコナラ、川べりの柳の木などに生息しています。
穴がたくさん開いていて、樹液が出ている木が狙い目。幹の表面だけでなく、枝の隙間や根元の土の中などにいることもあります。
「この木はいそうだな」と目星を付けると、定期的に出かけて確認しています。クワガタは例年、冬眠していた個体が土から出てくるのが6月中旬ころ。カブトムシは今年、6月下旬ごろ確認できました。9月か10月くらいまで姿を見る年もあります。
以前、さなぎからかえったばかりと思われるカブトムシが、土の中から何匹もモコモコと出て来る場面に遭遇し、すごく感動しました。カブトムシがすんでいる場所は通常人に教えませんが、昆虫仲間で「誰にも内緒だよ」と情報交換するのも楽しみの一つです。
カブトムシとクワガタは深夜や早朝に取りに行くイメージが強いですが、自分の研究だと日中の公園でも見つけられます。

7月初旬の夕方、細越さんの案内で、塩尻市内の公園でカブトムシを探しました。
まず、たくさんの木の中から、昨年付けたドングリの実が地面に落ちている木に目星を付けます。「やみくもに探すのではなく、木の種類で見るといいです」と細越さん。
懐中電灯を幹の隙間に照らすと、すぐに薄っぺらいコクワガタを発見!!思わず「いた」と大興奮です。この時期、桜の木から樹液がよく出ていますが、「おいしそうだけどなぜか寄ってこない」と言います。
採集する時の注意点は、「木の皮を傷つけないように優しく取る」こと。樹液に似せた餌を作って枝に取り付ける人もいますが、「付けたら必ず回収して」と細越さん。そうしないと公園や森の持ち主はごみだと思い、放置する人がいると、昆虫採集のための出入りを禁止する場合もあると言います。
また、スズメバチが近くにいるとカブトムシやクワガタはほとんど姿を見せないので「その場を離れて」とアドバイス。自然のルールやマナーを守って楽しむことの大切さを強調します。
40分ほどの散策で、コクワガタの雄と雌各1匹、ノコギリクワガタの雄1匹を見つけました。期待したカブトムシは見つからなかったものの、すんでいそうな木をこっそり教えてくれました。

【メモ】
【ほそごえ・ようすけ】幼稚園児の頃、父・史浩さんの同僚に誘われてカブトムシを捕りに行ったのがきっかけで大好きに。以来、土日曜の朝や夏休みに親と公園などへ出かけ、最近は休日の時間がある時に一人で採集・研究している。一昨年からは雄と雌を飼育し、卵から成虫になるまでの様子を観察している。