【ガンズリポート】マッチレビュー 26節・9日 山雅2-1琉球

新たな“攻め手”で白星

試合終盤の松本山雅FCの勝ち越し点は、ロングスローからだった。「チームが成長する中で、武器は増やし続けなければならない」と霜田正浩監督。新たな“飛び道具”が威力を発揮し、失点した試合で勝ったのは12節のSC相模原戦(6月3日)以来。粘り腰で、J通算6試合目となる琉球戦で初白星を挙げた。

「練習通り」のロングスロー武器の一つに

タッチラインから両手でボールを投げ入れるスローイン。普通は近くの味方に扱いやすい球を送るが、ロングスローは違う。ゴール前を狙って思い切り投げ入れる。いわば「投げるCK」だ。
この日の投げ手は、MF村越凱光。167センチは山雅で最も小柄だが、子どもの頃、トランポリンに励んだ体には、ばねがある。昨季所属したJFLのラインメール青森で投げていた映像を、武石康平コーチが見て白羽の矢を立てたという。
この日は「肩の調子がよかった」と村越。1─1の後半34分、敵陣右奥からゴール前へ投げ入れた。DF常田克人が頭で流し、落ち際にMF菊井悠介が飛び込んだ。「練習通り」と菊井。頭できれいに決めた。
試合終盤に繰り出す窮余の策のイメージもあるロングスローだが、この日は2カ月ぶりに先発した村越が、序盤から試み続けた。「(いつも使う)スタンダードにするかは分からないが、武器としてはいい」と霜田監督は手応えを得た様子だ。
次節はアウェーの宮崎戦。昨季は昇格の可能性が事実上消える大敗を喫し、菊井は「悔しい思いをした」と振り返る。新たな攻め手を携え、リベンジを期す。