【働くママ・パパ】「ファーストサウンド安曇野」代表丸山貴純さん 人生楽しむ姿見せたい

イベントの企画運営や舞台の音響・照明などを手がける「ファーストサウンド安曇野」代表の丸山貴純さん(47、安曇野市豊科)。自身の夢の実現と、2人の子どもと過ごす時間を大切にしたいと脱サラして今年4月に起業し、充実した日々を過ごしています。

家族と過ごす時間と夢両立

★サラリーマン時代
安曇野市で3人きょうだいの長男として生まれた丸山さん。オーディオ好きな父親の影響で、子どもの頃から音楽と電子工作に親しんでいました。
母親からは本をたくさん買ってもらい、小学生時代は探偵・明智小五郎が登場する江戸川乱歩の小説に夢中になりました。教師になる夢を抱いていた中学時代はバレーボール部、高校では物理部でアンプやスピーカーなどを自作しました。
山梨学院大法学部を卒業後は、あづみ農業協同組合(JAあづみ)に就職し、金融・保険業務や企業融資、リスク管理マネジメント業務に携わりました。
多忙な仕事の一方、2009年ごろから休日は趣味の音響機材を用いて野外イベントなどを企画運営したり、「自分のスキルを使って人の役に立ちたい」と、施設などで行う音楽ステージや催しなどにボランティアで協力したり。
「音響の活動は特定のミュージシャンだけでなく、いろいろなジャンルの人と出会える。要求に応えようと動いているうちにどんどん人脈が広がり、役に立てる場面も増えました」

★起業のきっかけ
2015年に文(ふみ)さんと結婚し、16年に長女羽乃夏(はのか)さん(7)が誕生します。
諏訪市出身の文さんは高校卒業後、米国に留学しコロンビア大大学院でソーシャルワーク修士号を取得。現地の難民支援団体でコーディネーターとして約5年勤務した後帰国し、12年から松本市のNPO法人中信多文化共生ネットワーク(CTN)のコーディネーターとして、地域で暮らす外国籍の住民を支える仕事をしています。松本大で非常勤講師も務めています。
「妻のキャリア形成に影響が出ないようにバックアップしたい」と、産後半年で職場復帰した文さんを家事と育児の両面でサポート。新しい部署に移ったばかりでしたが仕事をやりくりして定時に退社し、保育園へ羽乃夏さんを迎えに行きました。
20年に長男晴躍(はるや)ちゃんが生まれると、「もっと子どもと過ごす時間をつくりたい」「好きな舞台演出などの仕事で独立できないか」と思い始めます。生活を守っていけるか悩みましたが、「やりたいことがあるならやればいい」と文さんに背中を押され、昨年3月に退職。1年の準備を経て「ファーストサウンド安曇野」を立ち上げました。
起業後はさまざまな経営者と会う中で、生きたマーケティング・経営学も身に付けています。

★わが子への思い
「きょうだいげんかが増えて大変ですが、親が順番を決めたり、双方の意見を受け入れて納得させたりなど、日々、工夫して育児しています」と丸山さん。
子どもたちの将来については、「僕や妻のように自分の好きなこと、得意なことをとことんやってほしい。幼いうちは、いろいろな人がいて、意見や価値観もさまざまだということを伝えたいです。言葉で説明するのは難しいので、人生を楽しんでいる大人の姿を見せて何か感じ取ってもらえたら。そう思っていろいろなイベントに連れて行き、たくさんの人に会わせるようにしています」。

【ファーストサウンド安曇野】企業の集客イベントの企画プロデュース、コンサートライブ・学園祭・祭りなどの舞台演出、Zoomやユーチューブでのライブ配信など。経営コンサルも行う。TEL090・4452・0743。ウェブサイトは=https://www.firstsound-azumino.com/