満月の中に現れた黒龍の「龍神雲」(松本市笹賀)

満月の中に現れた黒龍を連想させる「龍神雲」が、左から右へ移動しながらリアルな表情を
際立たせた=ニコンD5、ニッコールAF-S1200ミリ 2023年11月27日午後4時50分15秒 

強力なパワー元気と幸せ届けて

今年の干支(えと)は「辰」だ。昨年11月27日、松本市笹賀の県営松本空港近くの農道。昇って間もない満月の中に突然、黒龍を連想させる「龍神雲」が浮かび上がった。不思議な撮影を、時間を追って振り返る。
午後3時、空は厚い雲に覆われ、撮影断念の絶望的な空模様。ところが、脳裏に描かれる撮影地点に素直に車を走らせている。松本空港…リンゴ畑…農道…木の電柱の横に車を止めた。顕在意識外の自分に気づき驚く。
4時10分。1200ミリ超望遠レンズを付けたカメラを据えた。幸運にも満月が昇る美ケ原高原上空の雲が消えた。
4時41分。王ケ頭山頂から鉄塔群を包み満月が昇る。急に風が立ち、ぱらぱらと小雨が降り出した。
4時50分。風雨が一段と強くなり撮影機材の撤収を始めた瞬間、帯状の黒雲が満月にかかった。変化する先端部。「目も、口もある。黒龍の龍神雲だ!」。迫力ある表情に圧倒され、三脚にカメラを固定する余裕もなくシャッターを切った。
龍神雲は幸運の前ぶれ、吉兆とされる。これまでに山清路(生坂村)の犀川上空に現れた「黄金犀龍」や、五爪(そう)の手に観音様を抱く「黄金白龍王」など、荘厳な龍神雲の光彩に出合うたび大自然に感謝し、撮らせてもらっている。今回も潜在意識にシンクロし、満月の中に現れた黒龍の強力なパワー。新年に当たり、多くの人に幸せと元気が届けばと願う。
(丸山祥司)