【眺めてみれば】#46 行人様(安曇野市豊科)

大きな急須が目印

真々部諏訪神社近くに、ひっそりと「行人(ぎょうにん)様」と呼ばれる塚があり、そのお堂脇に大きな急須がある。それが載った土台にも幾つもの急須が埋まり、同じ敷地には急須や湯飲みを埋めた塔や塀もある。
行人とは修行する行者のことで、案内板によると寛政8(1796)年に亡くなった根誉(こんよ)上人(行人)をまつった社とある。当時「いぼ」と呼ばれた皮膚病患者の病を自身の身に移させ、人々の病気治癒を願って生き埋めになり、飲食を断って祈り続けた。竹筒から急須で湯茶を注いでもらい、念仏を唱えながら亡くなったという。
「わが行を助けたい者は茶を与えよ」と言ったため、多くの人が茶や茶器を供えたとか。今もお堂の前にはペットボトルのお茶や急須、湯飲みが置かれている。200年前に思いをはせつつ手を合わせた。