県埋蔵文化財センターが県内の最新遺物公開

県埋蔵文化財(埋文)センター(長野市)は3月17日まで、松本、飯田、長野市の4遺跡で出土した最新の遺物の展示と、県内7遺跡の調査の成果をパネルで解説する速報展「掘るしん2024」を、松本市水汲のキッセイ文化ホールで開いている。埋文センターが松本で展示会を開くのはおよそ30年ぶりという。
4遺跡のうち松本市内は2遺跡。南栗遺跡(島立)では、平安時代の墓や竪穴建物跡から出土した小瓶や食器を展示。これまでの調査で竪穴建物、掘立柱建物跡が合わせて543軒見つかっており「松本盆地では最大級の集落遺跡」だ。
真光寺遺跡(波田)では、取っ手が内側に付いている内耳(ないじ)鍋、仏花瓶、南宋・北宋の通貨など。中世の火葬施設跡や土葬墓などのほか、生活用具を捨てた穴が発見された。
埋文センターの調査第二課長柳澤亮さん(55)は「4遺跡の出土品はここ1、2年に見つかった。地元の現地説明会以外で広く一般に公開するのは初めて。ぜひ多くの人に見てみてほしい」と言う。
2月23日午後1~4時、講演会と報告会を同ホールで開く。埋文センター調査指導員の大竹憲昭さんが「信州の旧石器時代を掘る」の題で講演。本年度の発掘調査の成果を報告する。いずれも参加無料。問い合わせは埋文センターTEL026・293・5926