人と人とをつなぐ場に―第二の人生を健康マージャン普及に注ぐ

「賭けない、飲まない、吸わない」が合言葉の健康マージャン。最近では健康や仲間づくりによいと、シニア層を中心に人気だ。松本市出川の岡田和彦さん(64)は、健康マージャンサークルの代表。昨年、県内初開催の全国大会の誘致に尽力し、中信各地区で大会を企画するなど普及の先頭に立つ。「マージャンが日常生活を豊かにしてくれる」という。
平日の昼間、同市神田の神田公民館で60、70代の男女約20人が卓を囲む。牌(ぱい)を「つもる」ときも「切る」ときも大きな音は立てず、「ポン」「ロン」の発声も穏やか。酒もなければたばこもなく、金が飛び交うこともない。
岡田さんが主宰する健康麻将(まーじゃん)サークル「縁ジョイ」の活動現場。岡田さんは現在、こうした活動を週4日、松本、安曇野、塩尻市の5カ所で行う。「参加者の6割が女性。男性は経験者、女性は『一から覚えたい』という人が多い」という。
昨年7月に松本市内開かれた全日本選手権の運営を担い、12月には松本市の共催を得て、初の交流大会を開催。今後3月10日に塩尻市、今秋には安曇野市でも開く計画だ。3月31日から、より競技性を高めた「競技マージャン」のリーグ戦も予定するなど、新事業に次々と挑戦。「大会も予定の定員を上回るなど、機が熟してきた」と笑顔を見せる。
高校時代にマージャンを覚え、面白さに魅了されたが、自身が20代頃にやっていた「賭けマージャン」には違和感があり離れた。
サラリーマンをしていた45歳の時、日本健康麻将協会の理事長を務めた故田嶋智裕さんの著書を読んで「第二の人生はこれ(健康マージャン)だ」と決意。当時、都内でマージャン店を運営していた田嶋さんから直接ノウハウなどを学び、52歳の時に「縁ジョイ」を立ち上げた。
「マージャンの魅力を伝えることも大事だが、今はこのゲームを通じて、人と人をつなぐ場をたくさんつくりたい」。“役満”以上の大役を狙っている。