「しおじりみんなの居場所づくり実行委員会」発足 キックオフイベントで上映会 2月3日

誰もが安心して自分らしくいられる居場所をつくりたい-。そんな願いを持つ塩尻市の市民団体が集い昨年12月、「しおじりみんなの居場所づくり実行委員会」を発足させた。同市を中心に活動する「起立性調節障害松本親の会」「ソトイク・プロジェクト」と同市社会福祉協議会の有志が、タッグを組んだ。
キックオフイベントとして2月3日、市内で映画「ゆめパのじかん」上映会を開く。川崎市が設置した「子ども夢パーク」で過ごす子どもたちを描いたドキュメンタリー作品だ。
親の会の古畑圭子さん(54、同市広丘野村)は「子どもの生きる力を信じて、そのままで生きていいんだよと大人が見守る大切さが描かれた映画」とし、広く来場を呼びかけている。

地域で活動する団体がつながり活動の幅広げる

「みんなの居場所づくり実行委員会」をつくった市民団体「ソトイクプロジェクト」は2021年9月、未就学児の子どもを持つ母親と保育士らで発足。自分らしく子育てしやすいまちづくりを目指し、育児者のサポートや、地域と育児をつなげる活動をしている。
「実行委」発足について、ソトイクメンバーで同実行委代表の梅田実生子さん(34、塩尻市北小野)は、「同じ地域で活動する団体の横のつながりが増えれば活動の幅が広がる。居場所をすぐにつくるのは難しいが、こんな居場所があったらいいな、と話し合うことから始めたい」とする。
「起立性調節障害松本親の会」は19年7月発足。頭痛やめまい、倦怠(けんたい)感などの症状で朝起きられない思春期の病気である、起立性調節障害の症状がある子どもの保護者でつくるグループだ。心理カウンセラーを招いた学びの場づくりなどを行い、「サボりや怠けではないと広く知ってほしい」と活動する。

初の共同主催今後の展望に

親の会が他団体と共同でイベントを主催するのは初めて。古畑圭子さんは「誰かが困ったとき、ありのままを受け入れてくれる場や相談できる場があれば、安心して暮らせるまちになる」と居場所づくりに期待を抱く。
塩尻市社協も、実行委発足に期待する。地域福祉推進センター内のボランティアセンター業務を担当する洞沙緒里さんは、「地域で活躍する団体の皆さんとつながれたら」と活動の広がりを望む。
2月3日の「ゆめパのじかん」上映会は午後1時から、同市大門一番町の市民交流センターえんぱーく3階多目的ホールで開く。市のまちづくりチャレンジ事業補助金を活用。小さな子連れでも気軽に観賞できるよう、スクリーン前に親子観賞スペースも設ける。
上映前後に、県内で活動する5団体の紹介やトーク交流会もある。参加するのは、公共施設に花を飾る活動をしている「hana-tomo」(塩尻市)、不登校の学習支援をしている「学習支援センター実帰舎」(長野市)、子ども食堂の「ヒッポポ食堂」(松本市)、障害のある子どもたちの保護者でつくる「まめまめの会」(塩尻市)、「ままのてつなご@信州」(長野市)。トーク交流会では希望者が参加して映画の感想やそれぞれの“居場所”への思いを語り合う予定だ。
参加費大人500円、学生・未就学児は無料。申し込みはフォームから。託児あり(0~6歳。1人500円、1月27日までに申し込む)。
塩尻市立図書館は2月3日まで、映画の上映に合わせ「テーマブックス」コーナーを設ける。映画「ゆめパのじかん」のパンフレットや、子ども食堂、不登校など、子どもの権利に関する書籍などを司書が選んだ(1月中は蔵書点検のため見られない)。