美ケ原高原から低緯度オーロラを撮影(松本市)

流れる雲間に北天低く出現した、赤みを帯びた低緯度オーロラ。右下の明かりは長野市。左下の山脈は北アルプス北部。右上雲間の星は北極星=ニコンD5 ニッコール17~35ミリ 2024年5月12日午前1時2分

神秘的な赤に染まる北天の夜空

松本市の美ケ原高原王ケ頭から5月12日午前1時2分、低緯度オーロラを観測、撮影に成功した。同高原での撮影は、2003年10月30~31日(信濃毎日新聞掲載)以来、20年ぶり。
11日午後7時、情報通信研究機構(東京都小金井市)が配信する「宇宙天気予報」を見て驚いた。8日午前から11日午後にかけ太陽表面で起こる爆発現象「太陽フレア」の最大規模(Xクラス)が連続8回発生。観測史上初めての規模という。
午後9時半。「今夜は撮れる」予感がして、大急ぎで美ケ原王ケ頭に立った。北の地平線は雲に覆われ絶望的だ。その上、カメラの三脚が立てられないほどの強風が吹き荒れた。
午後11時。強風でテレビ塔がゴーゴーほえる中、北天の空をひたすら見つめ続けた。
日付が変わった12日午前1時。雲が切れ、北極星が見え始めた。気のせいか北の空がわずかに赤い。高感度に設定し、25秒間露光で撮影すると…神秘的な赤いオーロラが写った。
低緯度オーロラは赤い。オーロラは下部が緑で上部が赤。低緯度の日本からは、上部の赤い部分しか見えない。
今回、最大規模の太陽フレアにより、日本でも長野、愛知など15道県で赤いオーロラを確認。大きなニュースとなった。
(丸山祥司)