【像えとせとら】どんぐりパノラマ展望台鎮魂の像・白馬村北城

絶景にも負けない存在感

青年風の男性が白馬連峰を指差し、小柄な方の人は片膝をつき手を合わせて祈るようなしぐさ。白馬村北城の別荘地「どんぐり村」内のパノラマ展望台にそびえ立つ。
北アルプスと村の大半が一望でき、雲海も楽しめるビュースポットだが、絶景にも増して像の存在感が半端ない。碑文はなく、「五龍岳」「白馬三山」と記された山の方角を示す看板があるだけだ。
「かなり昔の登山の格好に見えるね」「小柄な人は老人?女性?子ども?」「供養なのか、御来光を拝んでいるのか?」。居合わせた人と想像を巡らせる。地区に住んで約40年という住民は「越してきた時にすでにあった。普段は話題にしないなあ」。
昭和40年代後半ごろ、この別荘地の開発に携わった白馬開発(当時)のパンフレットに像の記述を見つけた。遭難したアルピニストの霊を慰め、山の安全を願って同社が建てた“鎮魂の像”とある。高さは、岩石を積み上げた台座と合わせて6メートルほど。
「仏シャモニーにある像がモチーフ。モデルは山案内人と、遭難で子を亡くした母親と聞いた」と語る人もいるが、真偽は不明だ。展望台の脇で15年以上暮らし、毎日眺めている高橋守さん(78)は「素朴だね」。展望台や周囲の整備などを行う住民組織「どんぐりを元気にする会」の中冨孝行会長(76)は「(像だけに)想像を働かせてみては」。