【像えとせとら】豊科駅二宮金次郎像・安曇野市豊科

名前に誇り駅長が私費投じ建立

まきを背負い、本を読みながら歩く子どもの像といえば、小学校でおなじみの二宮金次郎(尊徳)。ところが「どうしてこんな所に?」と思わず足を止めてしまった場所がある。JR豊科駅前だ。いつから、なぜここに?
高さ1・2メートルほどの石像を設置したのは、1943(昭和18)~45年に国鉄4代目の駅長を務めた五十嵐金次郎さん。二宮と同じ名前に誇りを持ち、在職中に私費を投じて建てたという。待合室の前、駅長室の前など場所は何度か変わり、時期は不明だが現在の駅舎前の一角に移された。
JR東日本になって7代目の駅長を務めた須澤佳正さん(73、安曇野市堀金烏川)は、像に夏はすげがさをかぶせ、首に豆絞りの手拭いを巻き、冬には手編みの赤い毛糸の帽子とマフラーを着けさせた。
「勤勉、倹約、親孝行の心を見習ってほしい」と須澤さん。在職時の2000年に始め、退職後も続けた。今夏は休んだが「冬はやろうかな」。現職のJR14代目、井上貞夫駅長(59)は「長年、豊科駅と地域を見守ってきた像。これからも大切にしたい」と話す。
余談だが、五十嵐さんはほかにも駅長を務めた小海線の信濃川上駅(川上村)と岩村田駅(佐久市)、旧信越線(現しなの鉄道北しなの線)の古間駅(信濃町)に、金次郎の像を建てたという。