心をつなぐ─思い語り継ぐ
正門を入ると左右に向かい合うように、男児と女児があいさつをする像と、児童が組み体操をする像がある。あいさつの像からは、元気な声が聞こえてきそう。組み体操の像は、下の子が踏ん張って上の子を支えている。児童の作品にも見えるが誰が作ったのだろう。
あいさつの像「心をつなぐ」を作ったのは、1989(平成元)年度の卒業生。当時の担任で、現在は同市の内田保育園長を務める松本久憲さん(61)によると、学年主任だった遠藤博久教諭を中心に、開校20周年にも合わせて「あいさつで心が通じ合う学校に」と、廃品回収をして得たお金で作った。
組み体操の像「支え合い」は、93(平成5)年度の卒業生が作った。「互いに支え合えるように」という願いを込め、体重を預け合わないとできないバランス技「サボテン」を再現した。
ともに卒業記念品として児童と教諭が協力し、鉄骨に麻ひもや針金を巻いて芯にし、コンクリートで手作りした。今は一部が欠けたり風化したりしているが、表情や指など細部もこだわったという。
昨年3月まで5年間、校長として同校に再び勤めた松本さんは、今は保護者になった教え子たちと当時を懐かしんだ。「ともにつながりが深い学年。像のおかげ」という。
学校の重点目標は「心をつなぐあいさつ」。2組の像は、先輩の思いを在校生に語り継いでいる。