【ガンズリポート】新加入の田中パウロ淳一 持ち味徐々に

得意のドリブルで好機つくる

松本山雅FCのMF田中パウロ淳一が、徐々に持ち味を発揮し始めた。今季加入した27歳。15日のツエーゲン金沢戦は、4試合連続となる途中出場で今季最長の29分間プレーし、得意のドリブルで何度か好機をつくった。
後半16分、入って最初のプレーだった。競り合いのこぼれ球をかっさらい、自陣から右サイドを一気に駆け上がる。相手に2人がかりで寄せられてボールを奪われたが、迷いのないプレーだった。
右タッチラインに近い位置に陣取り、ボールを持ったらまずドリブルで仕掛ける。「僕に求められているのは、ゴール前にボールを入れてチャンスをつくること」。エネルギッシュで狙いがはっきりしたプレーで、味方のパスを呼び込む。暑さと強風で停滞気味だった攻めを再び活性化させた。
試合に出ていないときから、チーム随一のムードメーカーだ。ベンチにも入れない時期が続いた間も、練習でひときわ大きな声を出した。ピッチの外では、ツイッターでクラブや地元についてユーモアたっぷりに発信している。髪も山雅カラーの緑に染めた。
この日は、試合前の練習から引き上げるときに、ゴール裏のサポーターに向かって応援を促すしぐさをして、盛り上げた。「拍手の音がロッカールームまで響いた。みんな一つになれたと思う」
試合でも見せ場はつくったが、結果は出なかった。「僕のプレーがまだまだ。何かできていれば得点できた」。へこたれず、次の機会をうかがう。