【ガンズリポート】ピッチ上の「統率者」 リーダーシップ発揮ベテラン橋内

同点弾を仲間から祝福されながら、足早に自陣に戻る橋内(左から2人目)

31節・26日 山雅2-1北九州

松本山雅FCのDF橋内優也が存在感を増している。アグレッシブなプレーに加え、仲間への指示でチームを後方から鼓舞する。今季はけがで戦列を離れる時間が長かったが、残留争いの渦中に復帰し、いまやピッチ上の統率者として欠かせない。
26日のギラヴァンツ北九州戦で同点弾を決めた。自身のゴールは山雅に加入した2017年以来だったが、さして喜ばず、先頭を切るように自陣に戻った。仲間を励まし続けて、チームは逆転勝ち。少し笑顔が出た。
「前の金沢戦で取った勝ち点1の意義をつなげられた。すごく大きい」。敵味方を含め、この日ピッチに立った選手で最年長の34歳。冷静に、最近の流れの中で勝ち点3を評価した。
5月下旬にベンチ入りメンバーを外れ、戻ったのは8月になってから。今月7日の京都サンガ戦で、名波浩監督の就任後に初めてリーグ戦で起用された。負傷したDF星キョーワァンに代わる3バックの真ん中。以来、4試合連続で先発している。
その間、チームは1勝2分け1敗。復調傾向に手応えと歯がゆさを抱える。「決定的なピンチは多くない。だけど、失点している。(失点を)ゼロにすれば、もっと安定感が出る」
名波監督の評価は高い。「声掛けで危険を未然に防ぐ役割は非常に大きい。ピッチの中でのコミュニケーション能力が高い」
在籍5年目。山雅サポーターの支えと期待は、身に染みている。「負ければ、みんなが下を向いて帰らなくちゃならない。その様子が手に取るように分かるから、悔しい」と、北九州戦前に語っていた。
「残留争いを抜けるまでは、毎試合がターニングポイント」と橋内。ホームでの1勝は特別だが、緩んではいられない。