【中村小太郎・駆け出し百姓の自然農奮闘記】#56 ひとごとじゃない山の健康

「松枯れバスターズ」結成します。
松本市内の松枯れは、松くい虫が原因ではないかと里山辺地区の農薬空中散布の是非が問われたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。現在では原因特定の研究も進み、松くい虫だけではなく、松の旺盛な繁殖力も疑われ始めました。適正以上に密に生えてしまい、お互いの成長に干渉してしまうのが原因のようです。
なぜ農家が山の心配をしてるんだと言われそうですが、そりゃ心配です。
フランスでは、カキの養殖業者の仕事の何割かは海に流れ込む川の上流の自然保護だと言います。それくらい山の恵みがあって営めているのです。農業も同じ。小太郎米の田んぼは、塩尻峠を源とする田川から引いています。
松枯れ被害の山林は悲しいかな自力では再生できません。松本の里山辺地区や中山地区を通ると、全て伐採して丸裸の山の斜面が目につきます。皆伐という荒療治でサラの状態にして、その山の環境に最適な苗木を植えているのです。ただし、数十年待たなければ豊かな森林には戻りません。
居ても立ってもいられません。諏訪地区の松枯れを抑え、塩尻峠越えも水際で防ごうとしてくれている林業会社、早川実業さん(諏訪市)とご縁ができて、お手伝いすることになりました。農家でも被害山林の持ち主を特定して伐採許可をもらうことならできそうです。これが名付けて松枯れバスターズ。あとはプロにバトンタッチ!できることから少しずつ。