【記者兼農家のUターンto農】#108 JA青年部

幅広い交流 情報交換の場に

6月に塩尻市内であった「玉ねぎ収穫まつり」。にぎわいを取材しながら疑問がわいた。なぜタマネギ?塩尻の主力は、ブドウや、うちでも作っているレタス類なのに。
地元という思い入れもあって、他にも疑問が浮かんだ。そもそも青年部って?50代にさしかかる私でも入れるのだろうか?
「収穫まつり」の始まりは3シーズン前。松本地域の3JAが合併したのを機に、旧JA塩尻市の独自事業として企画されたという。
JA松本ハイランド青年部の塩尻支部長、小林哲也さん(43)は当時、副支部長として立ち上げに関わった。自身は主に果樹を作っていて、タマネギは無縁。ほかの青年部員もブドウやレタス農家が多かったが、中にタマネギ作りのうまい人がいた。
検討すると、タマネギはイベントに向いていた。種まきや定植、収穫は、大人数でやることで部員の交流になる。子どもにもおなじみの食材なので、食農教育に活用しやすい。
事業化の決め手になったこれらの理由は、青年部の理念にも通じた。メンバー同士の親睦や地域貢献だ。
青年部における親睦の役割は大きいという。農家は個人で営むケースが多い。「分からないことを隣の席の同僚にちょっと聞くというわけにいかない」と小林さん。気軽に情報交換できる間柄をつくる機会は、特に若手にはありがたい。35歳で就農した小林さん自身が実感したことだったという。インボイス制度についてなど、講師を呼ぶ本格的な勉強会も、一定の人数がそろうから開ける。
支部員は、昨年から3人増えて35人。30、40代が多いが、還暦を超えた人もいるのではと聞いて驚いた。旧JA塩尻市では「青壮年部」だったという成り立ちもあって、年齢層は幅広いという。
「青年の心を持っていればいいです。来たれ、青年部!」と小林さん。楽しそうな表情に、「気持ちの問題だよね」と胸の内でつぶやいて、自分を奮い立たせてみた。