【中村小太郎・駆け出し百姓の自然農奮闘記】#69 子ども食堂にもこだわりの木曽漆器

私の住む塩尻市には、世界に誇れる漆器の文化があります。木曽漆器の主要産地である楢川地区は、海抜約900メートルの高地です。冷涼な気候で農地に乏しくも、山林に囲まれてヒノキなどの良材に恵まれ、江戸時代から漆塗りの技術を発展させました。
信州に移住してからは年に1度、6月の木曽漆器祭に「おむすび中村屋」として目抜き通りの二四重商店さんの軒先で出店させていただき、漆器の文化に触れています。普段使いの夫婦椀は漆器祭で購入したものです。年々深みが増していくのを感じています。もう宝物ですね。一生ものとはこういうことか。
米農家が「子ども食堂」を始めてそろそろ4年になろうとしています。昨年の夏休みから毎週土曜日11時半に開店すると決めて、塩尻市市民交流センターえんぱーく3階で活動しています。提供する食器は、公民館からの借り物や、使い捨てのプラスチックや紙のものです。せっかく地元に漆器の文化があるのだから、漆器で提供したいなぁと思っていました。
漆器祭のご縁から木曽漆器工業協同組合さんにダメ元でお願いしましたら、なんとご提供いただけることになりました。昨年末の贈呈式の席上、小林広幸理事長は「子どもたちに使ってもらうので、樹脂製ではない本物にしました」。この1月から木曽漆器での提供です。食材にこだわるだけでなく、食器にもこだわる子ども食堂です。応援お願いします!