【中村小太郎・駆け出し百姓の自然農奮闘記】#63 新米、いただきます

新米できました―。なんてすてきな響きでしょう。道の駅や直売所に行くと文字通り、ポップが踊っています。
小太郎米もできました。まだ稲刈りも脱穀も最後まで終わっていませんが、一部分早く刈ったお米を精米しました。わが家はなぜか、すりたての新米をイクラのお醤油漬けでいただくのが習慣になっています。
でも待ってくださいよ。私が新卒で社会人になった頃、お取引先を引きまわされながら、先輩に「今年の新人です。まだ新米なんでお役に立てるか分かりませんが、よろしくお願いします。ほらっ、ご挨拶しなさい」なんて言われていました。新米は、半人前というか、食べるにはまだ少し早いようなニュアンスだったのを覚えています。
そのルーツでしょうか。昔は、新米は春分の日まで待って食べたという話もあります。あせらずに熟成させてからの方がおいしいからでしょうか…。待ちきれないですよね。
現代のように、白米になるまでもみをすって食べるようになったのは、一説には江戸時代中期からといわれています。なんでも、大火で町中が焼け、復興のために近住の民を江戸に大量に雇い入れたことがきっかけのようです。大勢に早く提供できるようにということと、消化が早く、すぐに栄養になるように、ということでしょうか。
まあ、いろいろありますが、お祝いのつもりで白米にすって、いただきました。お先にどうもすいません。