懐かしい音楽でダンス―フレイル予防に「健康ディスコ」

無理なく楽しく老化予防を

お立ち台やミラーボールはなく、ボディーコンシャスな服も、扇子もなくて大丈夫。必要なのは、楽しむことと無理をしないことー。そんなディスコが昨年12月、松本市のMウイング(中央1)で開かれた。名付けて「健康ディスコ」だ!
フレイル(加齢による心身機能の低下)予防にと、市第一地区町会連合会、同地域づくりセンターなどが主催。プロダンサーでストリートダンサーのちびゆり(本名・小林悠里)さん(36、塩尻市広丘吉田)が講師だ。
参加者は50~90代で、懐かしい音楽に合わせステップを踏み、腕を伸ばした。ディスコ映画風の振りもあり、ノリノリで体を動かした。

50~90代が参加笑顔で体動かす

松本市のMウイング6階ホール。50~90代の男女約20人が参加して開かれた「健康ディスコ」。講師は、一般社団法人「県ストリートダンス普及協会」の代表理事、ちびゆりさんだ。
ちびゆりさん率いる「DISCONUTS」がパフォーマンスを披露した後、いよいよ健康ディスコがオープンした。立つ、椅子に座るのどちらでも楽しめるプログラムで、首を前後に動かすなど、ゆっくり体をほぐす運動からスタートした。
「マツケンサンバ」で足じゃんけんをしたり、懐かしいディスコミュージック「セプテンバー」でボックスステップを踏んだり。映画「サタデー・ナイト・フィーバー」のポーズを取り入れるなど、知らず知らず体のいろいろな部分を動かしている。みんな笑顔で、「フォー」という掛け声も入るなど、大いに盛り上がった。

運動より気軽なダンスで健康に

ディスコというと華やかなイメージがあるが、健康ディスコは、ダンス経験の有無にかかわらず誰でも無理なく楽しめる。これまで第一地区には健康づくり推進員がいたが、本年度はなり手不足で廃止に。体を動かす方法を地区担当の保健師、職員が模索、外部講師を呼んで健康ディスコを開くことにした。
運動はハードルが高く、体を動かすことがなかなか習慣化しないが、音楽に合わせ気軽に体を動かせるので、フレイル予防につなげる狙いだ。千曲市、中野市でも開かれ、注目されているという。
菅沢房子さん(90、深志2)は「踊りというと私は炭坑節の時代で、手のたたき方(表拍子、裏拍子)が違うなど、時代のずれを感じていたが、参加していい経験になった。ディスコは生まれて初めてだが、体にも頭にもいい運動になった。次回も楽しみ」と満足そうに話した。
「音楽に合わせて体を動かすことで、心の健康にもつながる。座ったままでもOKです」とちびゆりさん。運動習慣が身に付けば、骨密度を維持して骨折を予防し、寝たきりになるケースが少なくなるといった効果も期待できるという。昔ディスコに通った人も、そうでない人も参加できる気軽さがうれしい。
ちびゆりさんは今後、依頼があれば受けていきたいとし、健康ディスコのイベント開催も視野に入れる。運動できる服を着て「今日ディスコ行かない?」と誘い合う。そんな未来を想像すると、楽しくなってくる。
Mウイングでの次回開催は2月1日午後2~3時。第一地区地域づくりセンターTEL0263・32・1550