子育てシェアし母親ケア 託児付きカフェ「MIRAHUG」大塚彩音さん

一人一人に寄り添う

子育てをシェアしよう。未来を一緒にハグしよう-。安曇野市の大塚彩音(あやね)さん(36)は、2人の子どもを育てながら看護師として働く一方、託児付きのカフェ「MIRAHUG(ミラハグ)」を同市豊科南穂高に明日オープンします。話を聞きました。
★どんなカフェ?
場所は、カフェをしていた「のらねこ屋」。そこを借りて毎週金、土曜日の午前11時~午後2時に営業します。予約制で、11時と0時半から各90分の入れ替え制です。
店内にはキッズスペースがあり、保護者が食事をしている間、スタッフが子どもと遊ぶなど託児をしてくれるのが特徴です。「お母さんのケアが一番の目的。そのために託児をして、リラックス、リフレッシュする時間と空間を提供していきたい」と大塚さん。
大人のランチ付き・託児1人で2200円(子どもの追加は1人550円。子連れでない場合などの料金は異なる)。料理は、県内でキッチンカーを出店する管理栄養士kinominさん監修の野菜たっぷりのベジランチです。
プレオープンにママ友と来店した中野なる美さん(同市)は「保育士さんが子どもの相手をしてくれる様子を見ながら食事ができるので、安心して話ができて良かった」と言いました。
★起業への思い
大塚さんは松川村出身。飯田女子短大看護学科を卒業後、相澤病院に就職。夫渓介さん(35)との結婚(2013年)を機にフルタイムからパート勤務に切り替え、18年に長男瑛斗(えいと)ちゃん(5)を、21年に次男日々透(ひびと)ちゃん(2)を出産します。
職場に復帰するつもりでしたが、通勤に片道1時間かかることや、子どもを保育園に長時間預ける心苦しさから退職。安曇野市の特別養護老人ホームで週4日、パート看護師として働くことにします。
育児、家事、仕事に追われる毎日は想像以上に大変で、時にはつらく悲しい出来事も。そんな自身の体験から「子育てファーストな温かい優しい場所、会社、社会をつくりたい」とカフェの起業を決意。託児と飲食を組み合わせることにします。
しかし、素人だけに、何から始めていいか分かりません。そこで県の創業支援拠点「信州スタートアップステーション」(松本市大手3)へ。22年4月から支援を受け、昨年7月から出張託児やイベント出店などをしながら準備してきました。
★これから
「子どもを預けて自分の時間を取り戻したい人、孤独になりがちな育児でお母さん同士のつながりを持ちたい人、働きたい人へのサポートをする場所など、一人一人の背景に寄り添うようなサービスをしていきたい」と大塚さん。病院勤務時代に培った「個別性のあるケア」をカフェでも大事にしたいと言います。
また、子どもが家族以外の人と関わり伸び伸びと安全に遊べる体験、子どもが親から離れても不安にならない「子離れ」の機会にもなればと願います。
おさがり会、料理教室、ハンドメード、マルシェなど親子で楽しめるイベントも構想中。渓介さんも積極的に子どもたちの保育園の送迎などで協力しています。
予約・問い合わせはインスタグラム=https://www.instagram.com/_mirahug/=から。