【像えとせとら】松本郵便局発祥の地 脚夫像(松本市深志2)

満30歳よく見ると「かわいい顔」

松本市の松本信用金庫本町支店前にある明治時代の郵便配達員“メッセンジャー”は、編みがさにわらじ履き、法被をまとい、「飛脚」の趣も残す。電子メールやSNS(会員制交流サイト)で一瞬にしてメッセージが世界中に送れる現代から見ると遠い昔の人だが、なんだか親近感が湧いてくる。
「小さくて目立たず、ひっそりした感じが松本らしい。よく見ると顔がかわいいんですよ」と、同支店の武井恵子事務長。
台座のプレートには「郵便局発祥の地」の文字が。まさかここが全国初?さにあらず。1872(明治5)年7月、今は同支店がある場所に「松本郵便役所」が設けられ、松本地域で郵便事業がスタートした。本来は「松本郵便局発祥の地」だ。
青銅製の像を測ってみた。高さは57センチ。このなんとも控えめな大きさがいい。年齢は満30歳。1987(昭和62)年、同市が全国に先駆けて「郵トピア構想モデル都市」に指定された記念として、3年後の90年4月に設置された。
一帯はミニ公園として整備され、同支店の職員が掃除などを担っている。像の向かいには当時の「書状集箱」を模した屋根付きの黒ポストもあるが、うっかり手紙を投函(とうかん)しようとしてもできないのであしからず。