【ビジネスの明日】#16 立石コーポレーション社長 立石宗一郎さん

ガソリンスタンドなどを運営する塩尻市大門桔梗ケ原の立石コーポレーション。同市広丘郷原で建設が進む同市の新総合体育館のネーミングライツ(命名権)を獲得した。社長就任1年目の立石宗一郎さんは、スポーツを通じ、子どもたちに夢を発信するほか、新たにコインランドリーを出店するなど事業の多角化を始めている。

新規事業展開でシナジー狙う

同社のガソリンスタンドなどの店名に使われている「YOUMEX(ユメックス)」。「限りない可能性を生む」という思いを込めた造語で、来年4月開館予定の新総合体育館に「ユメックスアリーナ」と命名した。
学生時代には、バレーボールやバスケットボールなどに熱中。「仲間と絆を育むことや、目標を持って達成するまでの経緯が大切。子どものうちから競うことも必要で、人としての幅も広がる」とスポーツの重要性を熱く語る。
新体育館で有名選手を招いたイベントなどを開くことも目標の一つで、「子どもたちの夢を実現したり、基盤を育てたりする場にして、優れた人材を塩尻から輩出したい」と意欲を燃やす。

「燃料を販売するだけの従来と同じ営業方法では駄目」と、収益の下支えにもする新規事業を展開する。今年1月に開店したカフェ併設のコインランドリー「ロースター塩尻店ザ・ランドリーカフェ」(大門一番町)。「カフェを併設としたことで話題性があり、出だしから好調」と手応えをつかむ。
また、コインランドリーは無人でも営業できるが、カフェは店員がいることで、「お客さんとの接点を持てるのが強み、サービス業としての付加価値」と強調。今後もコインランドリーを中心とした店を毎年出店する意向。地域の健康寿命延伸につなげたいと、フィットネスジム出店の構想もあるという。
一方、主力の一つ、車検にも力を入れる。10月から、車検を予約し予約金を払った人、車検を済ませた人を対象に、ガソリン料金を最大30カ月割引する新サービスを導入する。
自身が入社した2018年当時、23人だった社員は、現在は47人に。「会社は、従業員と共につくるもの。お客さまにも社員にも誠実でありたい」とし、「地域に密着し、将来的に他の事業との連携でシナジー(相乗効果)を生むような面白いことをやりたい」と先を見据える。

【プロフィル】
たていし・そういちろう 塩尻市大門出身。大学卒業後、2015年10月~18年3月、昭和シェル石油(現出光昭和シェル)に勤務。18年4月、祖父の八郎さん(故人)が1951年に創業した立石コーポレーションに入社。昨年10月に社長就任。32歳。