【像えとせとら】義仲館 木曽義仲・巴御前(木曽町日義)

威風堂々2人のまなざし

「木曽義仲旗挙げ(挙兵)の地」とされる木曽町日義にある義仲の顕彰施設「義仲館(やかた)」。像は館の門をくぐった正面にある。威風堂々とした2人のまなざしは、「旭将軍」と呼ばれた義仲が立て直そうとした当時の政治の中心地、京都の方角を真っすぐ見据えている。
2体の像は開館から4年後の1996(平成8)年9月、当時の日義村が建立した。今年7月のリニューアルオープン後も、変わらずに館のシンボルであり続けている。
義仲は27歳のころ、後白河法皇の息子・以(もち)仁王(ひとおう)が全国の源氏に呼び掛けた「平氏打倒」に呼応して挙兵。平氏を北陸で次々と打ち破り、挙兵から3年で京都から追い出した。巴御前は、義仲の幼なじみとされている。
真っすぐな人柄だったと伝わる義仲は多くの人に愛され、俳人の松尾芭蕉は義仲の墓の横に自分の墓を建てさせたほど。精悍(せいかん)で気品にあふれた像の表情にも義を重んじたという義仲の人柄がにじむ。
義仲については、県や地元がNHK大河ドラマ化を目指して働き掛けを続けている。来年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は、主人公の北条義時を中心に平安末期から鎌倉初期の時代が描かれ、義仲を俳優の青木崇高さん、巴御前を秋元才加さんが演じる。
さて、脚本を手掛ける三谷幸喜さんは、2人をどう描くのか。来年、この像にも注目が集まるかもしれない。