【中村小太郎・駆け出し百姓の自然農奮闘記】#18 雑草という名の草はない

雑草?いつから人類は植物を益草と雑草に分けるほど思い上がってしまったのでしょうか。「植物は<知性>をもっている」(NHK出版)は「地球上の生物で、多細胞生物の99.7%は植物が占めている」としています。
自然農法は除草剤を使わないので、鎌で刈った草をその場にそっと寝かせます。これは分解されてその土地の栄養になることを期待すると同時に、土地の乾燥を防ぐ意味があります。
取り除かず相手にしているうちに、草花にとても詳しくなります。例えば北米原産の帰化植物、セイタカアワダチソウ。繁殖力が旺盛で厄介者の代名詞にもなっています。ところが、その生命力にはとても薬効があるのです。乾燥させてお茶に入れたり、お風呂に入れたりするとアトピーの症状が改善するのだそうです。
身近にあるヨモギは、焼酎に1カ月漬けておくと虫刺されの万能薬になります。農作業中にアシナガバチに刺され、ものすごく腫れた際もあっという間に腫れがひきました。またアルテミシニンという成分は抗がん作用があると期待されています。
松葉は、新型コロナ禍でそのデトックス効果が注目され、私も焼酎に漬けて飲んでいます。すると、なんと夜中にお手洗いに起きなくなりました。
ロシアの本で、ダーチャ(菜園)には必要なものしか生えてこないという言葉を知りました。大きくうなずきました。この世に不必要なものなんて無いと思うと、草だらけの畑がいとおしく見えてきます。