【中村小太郎・駆け出し百姓の自然農奮闘記】#19 お正月飾り

お正月飾りは手作りですか?年の瀬がひたひたと近づいてきますね。この時季になると、有機JAS農家の大先輩から声が掛かります。「わらを分けてくれ」。私の何十倍もお米を作っているのに?
新しい年の迎え方は地域によってさまざまだと思います。ただ、五穀豊穣を願う気持ちは共通ではないでしょうか。五穀といえば、代表はやはり稲。しめ縄は年神様をお迎えするために飾りますが、その材料は稲わらです。お正月飾りの中心には鏡餅。これはずばり、お米ですね。
移住した年の末に、親戚のおじさんが縁側で孫を遊ばせながらお飾りを作っていました。手作りなんですね、と声を掛けると、「この辺りでは男衆が作るんだよ」と。そういえば、回覧板に地域の公民館での手作り講座の案内があったな。早速申し込み、習いました。わらをねじる方向が違うと、一瞬でバラバラに…
そんなに大事な稲わらなんですが、昨今では貴重品です。小太郎米の収穫は、はぜ掛けして脱穀するので稲わらが残ります。しかし、コンバインだと一気に刈って、わらはばら撒きます。そこにトラクターをかければ秋起こし完了。便利な半面、わらが残りません。それで私のような若輩に先輩も、わらにもすがる思いで、わらを頼むことになるのです。
無事収穫できたことに感謝しながらしめ縄をないます。今年はクリスマスリース型にする予定。来年の豊穣を願い飾ります。