【子育ての呪い捨てませんか】 マザーズコーチング和田春菜さんに聞く(4)

苦手があるのは悪いこと?

「苦手があるのは恥ずかしいこと。人に迷惑をかけないように何でもできないといけない」。そんな思い込みをしていませんか?
「世界一子どもが幸せな国」といわれるオランダでは、人間に備わっている「8つの知能」を活用した教育モデルを学校で導入しています。これは人間は誰しも複数の知能を持っている。長所や特長が個人によって違うように、人によってある知能が強かったり、ある知能が弱かったりするという考え方です。
苦手があるのは当たり前なことです。自分の苦手を把握することは、得意を把握すること同様に、幸せに生きていくことに強くつながります。自分に合わない資質を無理に伸ばそうとするのではなく、視点を変えてより効率的に目的に近付く方法を探すことが大事だと思います。
子どもが成長する過程で気付く「自分はこれが苦手みたい」という自己理解を、「これができないなんて駄目だ」という自己否定にしないよう大人はサポートしていきたいですね。できないことに対しては、人の手を借りる選択をしてもいいのです。
実は私は自転車に乗れないし車の運転も苦手です。でもバスや電車などがあるので困りません。誰かの苦手は誰かの得意だからこそ多くの仕事が生まれ、社会が成り立っていると思っています。
インドには「人は迷惑をかけながら生きていくのだから、迷惑をかけられても許せる人でありなさい」ということわざがあります。得意は持ち寄り、苦手は許し合って補い合う。未来を生きる子どもたちに必要なのは、こんな価値観ではないでしょうか。