朝の作業は収穫から土作りへ
今年のリーフレタスの出荷が終わった。5月に始まってから約5カ月。稲作に続いて、うちの農事が一段落した。
感慨が湧くよりも、これで未明に起き出さなくて済むという思いの方が先に立つ。まだ父の手伝いという立場で、農家の当事者意識が薄いせいだろう。
ただ、体の方はすぐにオフシーズンのリズムにはならなかった。思ったより早く目が覚める。さらに、早朝の作業に気持ちよさを感じるということに気づいた。年のせいだろうが、Uターン2季目、性に合ってきたということかもしれない。
周りも、同じようにレタス類の収穫を終えたところが多い。主な産地は、茨城や兵庫・淡路に移っていく。さらに九州も加わり、冬場もスーパーの店頭でレタス類が切れることはなく、来春、産地リレーのたすきは信州に戻ってくる。
今年、うちの出来は、あまり良かったとはいえないようだ。春先は、この連載でも書いたが、季節外れの高温で苗がやられた。夏場には、長雨で病気が出た時期があった。
よそはどうだったのだろう?地元農協の担当者に聞くと、良かった品種と悪かった品種が分かれた。時期や農家ごとに出来が違ったが、全体を通してみると、安定した数量が出荷されたという。
気になる卸値はというと、これも「まずまず」。ただ、去年よりコロナ禍が落ち着いたのに、世間の動きと比べて市場や小売業者からの引き合いが戻ってきていないという。物価高の影響か、外食向けが鈍い。コロナ前には、しばらく戻らないのかもしれない。
来季に向け、農協と流通業者の契約交渉が始まっているという。ポイントはやはり物価高。肥料やこん包材、輸送費と、生産や出荷に関わる費用はなべて上がっている。その事情を流通業者、ひいては消費者がどこまで酌んでくれるのか。
そんなことを頭の隅に置きながら、朝方の畑で、来年に向けた土作りにかかっている。