【記者兼農家のUターンto農】#104 作業中の栄養補給

畑でリーフを「がぶり」

うちではリーフレタスの収穫が最盛期を迎えた。朝飯前の一仕事、バナナを1本おなかに収めて畑に向かうのが習いとなっている。
それでも作業中に小腹がすいて、手近な食べ物でしのぐことがある。つまりリーフ。究極の産直だ。
適当な葉っぱを選んでちぎり、株の切り口を洗う水を使ってすすぎ、がぶり。さすがは取れたて、独特の苦みが食卓で食べるより強い。その分、じわりと広がる甘みもはっきり味わえる気がする。
作物を畑で口に入れることは、以前は抵抗があったが、Uターン3年目ともなるといろんな面でずぶとくなった。腰を伸ばしながら野天でバリバリやると、気力も体力も戻る感じがする。
本当のところ、栄養はどうなのだろうか。調べると、リーフレタス類でもグリーンリーフはカリウムやベータカロテンが豊富に含まれているという。
カリウムの含有量は、同じ重さのバナナに匹敵する。バナナと同じ量は食べられないが、筋肉の働きを調整するというカリウムを効率よく取れるのであれば、確かに体力回復によさそうだ。
ベータカロテンは、即効性はないけれど免疫力が上がりそうで気分が上がる。
しかし、なんといっても水分だ。100グラム当たり94グラムというデータにたがわず、シャリシャリかむうちに潤っていく感覚がある。
熱中症予防にもなるかもしれない。
農作業中の熱中症で亡くなる人が全国で毎年30人ほどいて、県内でも毎年のように犠牲者が出る。今年は5月に真夏日を記録したが、国はこの月から9月までを熱中症対策強化期間としている。
野菜の収穫はもっぱら早朝だが、それでも熱帯夜明けなどはリスクがある。そんな時、リーフかじりは「こまめな休憩と水分補給」にぴったり。実は、カリウムを補うことも熱中症予防には大切だという。
夏場、リーフがますます味わい深くなる。