【中村小太郎・駆け出し百姓の自然農奮闘記】#61 植物の知性

自然農をこころざす時に読んだ本があります。「植物は〈知性〉をもっている」(ステファノ・マンクーゾ&アレッサンドラ・ヴィオラ著、NHK出版)。この連載でご紹介するのは2度目となる同書から引用します。
「植物は、人間と非常によく似た五感、つまり視覚、嗅覚、味覚、聴覚、触覚をそなえている。つまり感覚の鋭さについては、私たち人間に劣ることなく、非常によく似ているといえる。ところが、じつはそうではない。植物は人間よりもずっと敏感なのだ。人間のもっていない『感覚』を、少なくとも十五はもっているのだから!」
毎年、毎年、田んぼの雑草に悩んでいるのですが、田んぼに生えてくる雑草はどこかしらイネに似せようとしているような気がします。いや、長い年月をかけてそっくりになろうとしています。目もないのにですよ…。驚きます。発育は、イネより早いです。目がないのに周りを見回して少しでもイネより高くなろうとしているようです。
どうしてそうするのか考えるとですよ、人間がイネを大事にしていることを知っているのではないかと思うのです。自分のそばで生えているイネだけが刈られずにいるのを認知しているのです。すごい能力ですよね。
草取りをはじめると、雑草は穂を早く熟させ、タネを地面に落とそうとしているようにも見えます。
私が雑草に簡単には勝てないわけです。