【中村小太郎・駆け出し百姓の自然農奮闘記】#7 怨敵退散、雑草処理も工夫次第

ヒエ、コナギ、ホタルイ、クロクワイ、オモダカ、ヒルムシロ。これなんだと思われますか。稲作の天敵「雑草」です。どれも発育が早く、うっかりするとイネの成長を追い抜き、大事な日差しを遮るものまであります。最近の研究で、その性質が明らかになり、対処法も考えられています。
まずは田んぼの「水持ち」。土中深くの土の層、「耕盤層」のひびを埋めるため、春にトラクターで踏み固めます。水漏れを防ぐ畔塗りも大事。今年は畔シートで万全を期しました。
水持ちが良いと、田んぼの水位を高くする「深水管理」ができます。水深があるとヒエは上へ上へと伸びようとし、そのうち自らの浮力に耐えられずに抜けてしまうんです。
そして、早めの草取り。私は自作の機具を使っています。農業用ハウスの金属留め具、ビニペットスプリングを使います。スプリングを切って木に打ち付けた除草機を作りました。
田んぼでスプリングをはわせるように引き、まだ小さい雑草の芽を引っ掛けていきます。この作業をすると、泥が舞い上がって水面を覆い、雑草への日光を遮る効果も生まれます。
手作り感満載の除草機。女性でも扱える軽さです。昨年は2人、今年は5人の方に伝授しました。「工夫」って楽しい!自作だと改良点に気づき、お教えする際に迫力が違ってきます。
汗をかいた分、知恵を絞った分、おいしく実ってくれることを願います。