【記者兼農家のUターンto農】#17 季節の変わり目、リーフの異変

豪雨、気温変化乗り越え

梅雨明け前の14日午後、実家の辺りを豪雨が見舞った。気象会社ウェザーニュースのアプリで確認したら、1時間に20ミリほど降ったという。翌日、近くの田川で護岸の一部が崩れたことがニュースになった。
畑でリーフレタスの異変に気づいた。葉っぱに濃い緑の斑点がたくさんできている。まるで水ぶくれのよう。雨粒に強く打たれたせいだと直感した。
小さい株には斑点が見当たらない。まだ葉がしなやかで、衝撃を受け流せたのだろう。代わりに、収穫が間近だった株は、痛々しいほど。「出荷して大丈夫か」。親たちと、心配顔で言い交わした。出荷できても格下げ品になったら、安値のこの時期、泣きっ面に蜂だ。
JAの担当者にリーフの葉を見てもらった。答えは「大丈夫」。時間がたてば斑点は消えるという。通常出荷でOKということにほっとし、同時に、放っておくと治ると知って驚いた。
斑点は「打痕」と呼ぶという。やはり、雨粒に打たれた痕だった。人間で言えば、打撲によるあざのようなものか。ただし、治る速さは段違い。16日朝、本当に葉っぱはきれいになった。「回復力がすごい」。春先、霜に見舞われたときにも感じたリーフの生命力だ。
ところが翌17日、葉の一部が茶色く枯れたようになったリーフを見つけた。
前日に梅雨明けが発表され、早速暑かった。「まだ体が暑さに慣れていないので、水分を十分に取り、熱中症に気をつけて」と、ニュースは人間に呼び掛けた。さすがのリーフも、打痕の一部は組織が回復しないうちに暑さに遭い、干上がったのだろうか。茶色い葉っぱを取り除く作業が切なかった。
それでも多くのリーフは、豪雨、急激な気温の変化と、季節の変わり目をなんとか乗り越えた。さて、今年も酷暑なのだろうか。