【中村小太郎・駆け出し百姓の自然農奮闘記】#24 ジャガイモ界の「無名の戦士」

「デストロイヤー」と聞いて、白覆面プロレスラーを思い出した人は私と同年代認定です。力道山やジャイアント馬場と戦ったプロレスラーの話と思った方。違います。破壊するものという意味なんですが、それほど強い作物です。でも見た目も覆面にそっくり。
この時季は、夏に収穫するジャガイモの芽出しをします。しまっておいた種芋をお日様に当てて眠りから覚めてもらいます。この時は特に太陽ではなく、お日様と呼びたいですね。春分の日を待って、土に植えます。
移住して先祖の畑を継ぐことになり、土づくりに苦労した話は先に書きました。最初の年から順調に育ったのがデストロイヤーです。正式名称グラウンドペチカ。サツマイモとジャガイモを掛け合わせたかのような見た目ですが、れっきとしたジャガイモです。
長崎生まれ。無農薬でも病害虫被害を受けず、やせた土地でも育つことから園芸革命を起こすとも期待されています。もう少し収量が見込めると普及するのかもしれませんが、まだ「無名の戦士」ですね。
信州の寒さも遅霜もなんともないようで、よく育ちます。心強いでしょう。それに何よりおいしいんです。家庭菜園に向いているので、この時期に種芋を見かけるようになりました。
真夏にふかしたてをじゃがバターにして、ビールでいただきたい!まだまだ寒いけど、どうやって、誰と食べるかを想像しながらの農作業が最高です。