手すき和紙で修了証書 おみ保育園年長児 卒園式に向け手作り

かつて手すき和紙の生産が盛んだった麻績村。同村のおみ保育園は2月27~29日、年長園児13人が、卒園式に向けて手すき和紙で世界に一つだけの修了証書を手作りした。
和紙の原料となる麻績産のコウゾの繊維とトロロアオイの粘液、水を混ぜ合わせた溶液から、園児たちは簀桁(すけた)を使って繊維を引き揚げ、水を抜き、A4サイズの証書を完成させた。破れないよう丁寧に板に移すなど真剣な表情で取り組んだ。桜の花びらもちりばめ、華やかな証書が出来上がった。
体験した山﨑晴貴ちゃん(6)は「紙をすくう作業が面白かった。1万点の出来」と満足げな表情。
講師は元同村地域おこし協力隊員で、手すき和紙の復興に取り組む沢木亜有(あゆ)さん(35)が務めた。沢木さんは協力隊時代に、地域の和紙職人から工程を学び、現在も技を継承しようと活動。同園で約10年前から、手すき和紙の証書作りを指導している。
沢木さんは「紙ができていく過程を楽しみながら、和紙の産地であったことも知ってもらえたら」と話す。
修了証書は22日の卒園式で園児に手渡される。