【中村小太郎・駆け出し百姓の自然農奮闘記】#44 種芋の保存

寒い日が続きますが、お元気でしょうか。移住してきて丸5年になりましたが、初めての方言に驚きました。「しみしんじゃう」です。「こんなに寒けりゃ、凍み死んじゃう」と使います。凍えるように寒くて、死んじまうくらいだぜ―がワンセンテンスに合体しています。もし日本に方言大賞があったなら、迷わず1票!
この極寒の時期に大事な農作業が種芋の保存です。「自然農園なかむら」では、ジャガイモ3種類、サツマイモは2種類、サトイモも2種類育てています。選び抜いた種芋を春の芽出しまで保存します。気をつけなければならないことが大きく三つあります。光と温度と湿度です。光は、明るい場所だと表面が緑化したり芽が出てきちゃったりします。次に温度。適した温度は5~10度です。5度以下でも大丈夫ですが、氷点下になるともう種芋になりません。また、湿気がこもる場所ですとカビが生えやすくなります。
古い農家には地下貯蔵庫の「室」がありますが、私は土中派です。畑の一角に50センチから1メートルの穴を掘ります。底にわらを敷き、紙に包んだ種芋を横たえます。さらにわらを敷いて土をかけて埋めます。目印を立てて作業完了。
霜が降りた地面と格闘すると、うっすら額に汗がにじみ、凍み死なないで農作業ができます。作業終了とともにユーミンの「春よ、来い」を聞きながらビールです。こういう時は昼ビールにも嫁さんは寛容。春が楽しみです。