【中村小太郎・駆け出し百姓の自然農奮闘記】#68 手前しょうゆの搾り

さしすせそ。砂糖、塩、酢、しょうゆ、みそ。自然尊重の精神と発酵文化を特徴とする、わが和食の代表的な調味料です。五つの中に三つも発酵調味料が入っています。
私は、ITベンチャー時代の激務がたたり、大病して東京から移住を決意しました。嫁さんの生家で、米や大豆、野菜を作って生活しています。ほぼ自給自足生活です。みそも手前みそです。酢は、健康に良いからと黒酢を取り寄せていましたが、今は樹上に残った柿を瓶詰めにして半年ほど放っておいて、柿酢にします。おいしくて、とても健康です。
「せ」は、そうです、自然農奮闘記で2月にご紹介した「手前しょうゆ」です。手前みそに続き、自給自足の決定打!
寒中仕込みをして、はや10カ月。毎月、仲間と交代でしょうゆもみという天地返しをして熟成させてきました。
そしてとうとう搾りです。槽という専用の搾り機で圧力をかけ、じっくりと染み出してくるのを待ちます=写真。ワクワク感がたまりません。私たちの仲間は、西尾真由美さん(塩尻市)、宮田ひろみさん(安曇野市)という女性の搾り師さんにお願いしています。カッコいいです。
最初に出てきたものを、生じょうゆといいます。火入れをしないため、数週間の命という貴重な滴です。仕込みの時にはお刺し身で味わおうと決めていましたが、持参した温泉たまごかけご飯でいただいちゃいました。とても鮮烈。他の素材のうまみも際立たせます。最高です。